「サボテンも枯らす女」という表現を耳にしたり、口にしたことのある人は結構いるんじゃないかと思うが、そもそもこの表現、誰がいつ頃言い始めたものなんだろう。何を隠そう、いや隠すつもりもないが、私自身も自分が「サボテンも枯らす女」だと思っている。
サボテンは乾燥した砂漠のような水の少ない土地でも生育するのだから、あれこれと世話を焼かなくても勝手に育つはずなのだ。そのサボテンすら上手に育てられず枯らしてしまうのだから、いわんや他の植物をや。なぜなら私は細やかな気配りができないタイプの女性だから。・・・という感じだろうか。
花はもちろん綺麗だと思うが、自分で育てようと思ったことがそういえばなかった。面倒くさがりで忘れっぽい私にとって、生き物を育てる行為である園芸はとてもハードルが高い趣味なのだ。なぜなら植物は「喉が渇いた!」「飯をくれ!」と、人やペットのようにアピールしてくることがないからだ(だからってその存在を忘れるのもいかがなものかと思うが)。
が、今我が家にはちょっとした植物が同居している。
一つは、小学生の娘が急に興味を持って欲しがった食虫植物の「ハエトリグサ(ハエトリソウともいう)」。

実は中学生の長男が小学生だった頃、同じように食虫植物に興味を持った時期があり育てていたことがあった。上手く育てるとどのくらい大きくなるのか分からないが、少なくとも長男が育てていた時はあまり大きくならないうちに枯れてしまった記憶がある。
その時のリベンジというわけではないが、今回はもうちょっと長持ちして欲しい。というわけで、娘の机の上のハエトリグサを私も一応気にかけている。
食虫植物、とはいっても虫を与えなければ枯れてしまうわけではなく、光合成で生き続けることはできるらしい。虫を捕食すれば肥料を与えたのと同じ効果があるようなので、少しは虫も必要なのだろうか。子供たちは、一番捕まえやすい小さい蟻を生き餌として与えようと思ったようだが、蟻の出す蟻酸で葉が枯れてしまうことがあるそうなので要注意だ。
ハエトリグサが自生する場所は湿地帯なので、気をつけるべきは常に水を切らさないようにする、という点だ。受け皿には水をたっぷり入れて、腰まで水に浸かったような状態を常に保っている。この腰水のおかげで、水やりをそこまで気にしていない私がいる。この心がけがイカンのだな。
我が家に同居する植物のもう一つはスーパーで買った豆苗で、一度使った後に残った根を水に浸して再生栽培している。

豆苗の方はいたって簡単。スーパーで根がついたまま買った豆苗の、葉と茎を食べ終わった後に残った根をそのまま適当なトレイに水を入れて浸しておけば勝手に再生する。写真は1週間くらい経ったもので、もうボーボー。そろそろ刈り取って、その後は2回目の刈り取りを目指してもう一度育てる予定。
この二つの植物を家の中に置き始めたら、長男がマメに水やりをしていることに気がついた。最初の数日など娘とどちらが水やりをするかで揉めるほどで、「ちょっと水やりすぎじゃね?」という状態に。
その後しばらく経ってさすがに最初の熱は少し冷めたようで、今では娘も水やりを忘れがちだが(コラコラ)、長男は忘れない。もしやこの人は「サボテンを含む植物全般を枯らさない男」か?!
・・・というのは冗談で、もしかしたら植物を育てるのって子供の情操的にも良いのではないかと思い始めた。ペットを飼うことが子供の情操教育に良いという話はよく聞くが、植物だって生き物だ。元気かな?と気にかけて、手をかけると応えてくれる、可愛がるものがいる、というのは大事なことかもしれない。
ハエトリグサはポットを購入しただけだし、豆苗は上記の通りほぼ何もしていないようなものなので、何かタネから(簡単に)育てられるものがないか、と思っていたところ、図書館で「100円グッズで水耕菜園〜レタス、トマト、本格野菜が育つ!」という本を見つけた。「100円グッズ」とか「水耕」という言葉がいかにも私のような(?)人間向きのような気がする。
この手のことをやりたいと思ったことが過去になかったわけではないのだが、本を借りても眺めて終わり、みたいなことを繰り返してきた。子供に少しずつ手がかからなくなってきている分、植物に手をかけてみたら私の情操教育にも良いかもしれない(この歳で何を目指しているのかよく分からんが)。
というわけで、この続きはまた後日。始める前に三日坊主にならないように気をつけよう・・・乞うご期待。


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