家族性高コレステロール血症で昨年から月に一度内科に通院している。
独身だった頃は病院とはほとんど縁のない生活をしていたし、結婚してからも自分のことで病院にかかったことはほとんどなかった。たまに歯の詰め物が取れて歯科に行くくらいで、確か5〜6年前に子供にうつされてインフルエンザに苦しんだ(記憶にある限り人生で2度目)時も病院には行かず自力で治した。
内科に子供を連れて行くことはままあるが、そこに傍目には元気そうなご高齢の方々が溢れている様子を見ると「また混んでる・・・この人たち元気そうなのになぁ」(すみません、元気じゃない方ももちろんいらっしゃるはず)なんて思っていたけど、今では自分自身がとっても元気に月に一度病院に通っている。そして「いつもの診察で」と診察券を出す私は、次なるステージに一歩進んでしまったような何だか複雑な気持ちだ。
高コレステロール血症というのは、血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)値が高くなり、動脈硬化で血管が詰まりやすくなる病気だ。心臓で血管が詰まれば心筋梗塞だし、脳で詰まれば脳梗塞となる。オソロシ〜。
実はもう20数年前、私がうら若き乙女だった頃(遠い目)、20代にしておたふく風邪にかかったことがあった。内科で血液検査をしたところ、ムンプスウィルスというおたふく風邪のウィルスが検出されると同時に私の高コレステロール血症が判明した。数値が悪過ぎて、おそらくは60代だった先生に「これ70代くらいの数値だよ〜、どうする?」と言われ、自称うら若き乙女の化けの皮を剥がされた気がした。
実の母が同じ高コレステロール血症だ。長年薬を飲んでいる。自覚症状がないので若いうちは見逃されがちだが、私はたまたま受けた血液検査で判明したというわけだ。
高コレステロール血症であることが判明したらLDLコレステロール値を低下させる治療を始めないといけないが、薬を飲み始めたら最後、一生飲み続けないといけないことから当時の先生には「まだ20代なので投薬治療ではなく生活習慣で改善を試みましょう」と言われた。すなわち、食生活に気をつけて適度な運動をしろ、ということだった。
20代から30歳をちょっと過ぎる頃まではそこそこ忙しく仕事をしていたこともあり、その後結婚、3度の出産・・・と瞬く間に時が経ち現在・・・そんなことがあったことはすっかり忘れ去っていた。
それを思い出させてくれたのが昨年、別の不調でたまたまかかった内科での血液検査だった。別の不調の方は特に問題なかったのだが「それより、こっちが問題!」とLDLコレステロールの値を見せられて20年前の記憶が蘇った・・・ワケ。相変わらず、正常範囲から大きく外れた数値だった。よくぞ今まで血管が詰まらなかったものだ。
今回、いよいよ薬を飲み始めるか、生活習慣に気をつけながらしばらく様子を見るか、の二択で一瞬悩んだが、先生の
「家族性だと生活習慣の改善だけでコントロールすることは難しい。毎日毎日食事の内容を気にしながら窮屈な生活を送るよりは薬を飲んじゃった方が安心だし楽だと思うよ」
という(悪魔の)一言で観念した。通院患者を一人増やしたいだけだろ!と心の中で悪態つきつつ(子供か!)、血管が詰まるかも・・・という怖さに勝てなかった。なんせ今や私は名実ともにアラフィフのおばちゃんなのだ。
・・・というわけで、通院を始めて約8ヶ月が経った。

たまに血液検査をして数値を確認するが、普段の診察は血圧測定をしながら雑談(?)という、数分で済むもの。その雑談で「調子はどう?不摂生してない?」と毎回聞かれる。不摂生したさに薬を飲み始めたと思われているのか。何の努力もしていないとは言いづらく、「ちょっと運動するようにしています」と家族が聞いてもツッコミが入るだろう嘘をついてしまった(子供だ)。
今日は雨が降っていたから病院までは歩いて行った。20分程度なのだが、普段はどこに行くにも運動にならない電動自転車、夫にも運動不足を指摘されているので20分でも結構歩いたぞ、と感じる。そして帰りは雨が止んでいたこともあって、ちょっと遠回りしてみた。家に着いて、「今日は運動したぞ!」と思って、ワクワクしながらスマホの歩数計を確認したところ4600歩。
・・・そんだけかい!



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